La+の戯言

シャドウバースについてあれこれと

新条アカネから目が離せない

 

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 みなさん、「エモい」という言葉を使ったことはあるだろうか。

ここ最近でこの単語を耳をにしない日はないくらいだろう。

では意味を正確に理解している人はいるだろうか。

意味をたどると...、

エモいは、英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本語形容詞。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「哀愁を帯びた様」などに用いられる。また、現代若者に使われる用語である 。

                        Wikipediaより引用

 

と、要はグッと来るものだとか尊いだとかそんな感じの感情の想起させるものである。

 

 

f:id:lapluswitch:20181113022953j:image 檀黎斗で表すならこうであろう。

 

ということで今回は現在この世で最もエモい存在、通称円谷プロ版檀黎斗と呼ばれている彼女、新条アカネのその魅力について語り尽くそう。

彼女を語る上でネタバレは不可避なので、まだ「SSSS.GRIDMAN」をご覧になっていない方はブラウザバックを推奨いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女はこの物語の創造主に等しい人物で、街を作るも壊すも思いのまま。それは人だってそうだ、気に入った人間は残し、嫌いな人は削除できる。

その力を持ってして自分に都合のいい世の中を形成してきたのだ。

彼女にとってきっと居心地のいい世界であろう。

なのだから普通は幸福を感じるはずなのだ。

だが不思議なことに

1話の冒頭、フェンス越しに校庭を見渡し、退屈そうな顔をする彼女のシーンから入るのだ。

 

それどころか基本的に彼女はイライラしていることが多い。消しゴムにシャー芯を指してたり、ストローを噛んでいたりとどこか未だ不満を抱いたままのようだ。(単に素行が悪いというのもあるのだが)

 

そんな彼女がどんな時に楽しそうにするかというと、怪獣だ。

怪獣のフィギュアをスクラッチ&ビルドしている時や、現実化させたそれが暴れている様を眺める時。

そんな時の声色は一段と高くなり幸福そうな表情を見せる。

そう、部屋の中にはキャビネットいっぱいに怪獣のソフビが所狭しと陳列されているような部屋に住むくらいに新条アカネは生粋の怪獣ヲタクでもあるのだ。

 

そのヲタクっぷりが垣間見えるのが4話で、大学生YouTuberグループとカラオケで合コンするシーンの一幕、

 

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 自分のSNSアイコンを知ったかぶられて間違えられることに腹を立てるシーンなのだが(そしてそのアイコンが妻子や同胞を犠牲にする非道な宇宙人、「宇宙の嫌われ者」という異名を持つレギュラン星人というのも皮肉が効いててポイントが高い)(というかバルタン星人と間違えるのは流石に無理があるだろうよ。ケムール人とかさ、サタンビゾーだとかもっと似通ったビジュアルの怪獣いるだろうよw)、何かしらのヲタクをやってた人でここで共感しない人はいないであろう。

 

他にも6話での内海との会話でも

 

レッドキングは三代目の造形が好き(確かウルトラマン80に登場したやつがそうです)

・赤いレッドキングウルトラマンパワードに登場していることを知っている(僕はEXレッドキングしか知らなかったですw

ウルトラシリーズの主人公は怪獣という主張とウルトラマンたちを指差して「あんなの」呼ばわり

 

とあくまで"ウルトラシリーズ"全般ではなく怪獣だけが好きという一貫性をも持つ。

 

逆にウルトラについてはあまり興味がないのもグリッドマンとの戦闘シーンからみて取れて、

グリッドマングリッドマンキャリバーを使う様や、他のアシストウェポンと合体して戦う姿を邪道だと評するのだが、本家のウルトラマンだってアイスラッガーやウルトラブレスレッドなどの武器は使うし、合体だってウルトラマンレジェンドウルトラマンサーガなど融合する例は存在するし、最近の作品であるオーブ、ジードは二つのウルトラマンの力を融合して変身するなど今となっては珍しくはなくなった。ウルトラマンXに至っては直接怪獣と合体する。

と如何に関心がないかが分かる。

 

ここまで怪獣のみを愛する一貫する姿勢にはなんだかグッと来るものがある。

本編でも一応触れられてるのだが、そもそも女子高生が怪獣ヲタクやってる時点でエモーションなのだ。

 

皆さんはどれくらい怪獣を覚えてますか?

別に怪獣でなくていい。プレイしたゲームの敵キャラ全て暗記してますか?

彼女はきっと全作品全て覚えてるだろう。

 

この世界の人物は怪獣はおろか昨日何があったかさえ忘れるのに、彼女だけはそれを全て覚えている。 ここにさらにエモさを感じずにはいられない。

 

 

そしてもう一つ、新条アカネは黒幕であると同時に一人のヒロインでもあるのだ。

  

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 少なくとも抱き枕カバーが公式から出るくらいには。

 

だが彼女は形式上はヒロインの座についてるが、実際はヒロインになれてない。

 

主人公の悠太とはそもそも席が隣だったり、二人きりで食事や会話するなど距離を縮めるシーンがいくつもあるのに彼の心は一貫して六花にしか向いてない。

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そしてやはり六花の存在だ。表向きは彼女と合わせて二大ヒロインという体裁を取っているのにも関わらず、話の中では立花のみがヒロイン然として存在する。

さらに言えば、その点も含めてアカネと六花は見た目も含め何もかもが正反対なのだ。

 

アカネはクラスの人気者と評されているが、実際は男どころか友人の気配も薄く(わざわざいっしょにごはんを食べてくれる怪獣アンチを作るくらいにはぼっち)、さらにコミュ障の嫌いがあるのに対し、六花はその逆で、常に誰かしらの友人に囲まれ、当然男の匂い(主にグリッドマン同盟の所為ではあるのだがw)もある。

アカネはとことん負だとか陰の気性があるのに対し、六花は所謂陽キャだ。

その違いは二人のSNSアイコンからもみて取れ、かたや自撮り、もう片方はレギュラン星人だ。

 

そんな両者なのだが、以前は親交があり、とあるきっかけ(おそらくあったらしい)で関係が途絶えているのだ。だが、決して仲違いをしているわけではなく関係自体は(表向きは)良好のようだ。(こういう関係にもグッと来る)

 

だがそんな関係にも陰りが見えたのが4話と6話。

 

バスの中でのワンシーン、

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悠太との関係を問い詰める時の声色は敵と言える人間に向けるそれだったし、

六花が怪獣に襲われてる時も「六花もそんなところにいると危ないよー♪」とどこか他人事のようだ。

 

対して六花はというと、久しぶりにアカネと話せると前日から楽しみと周囲に分かるくらい喜んでいたし、彼女が帰るとまだ話し足りないと非常に残念がった。

6話ではアカネを想ってかパスケースをプレゼント用に購入していたりと、両者に気持ちのズレ、すれ違いが垣間見えた。

 

ここでもアカネは負の感情を、六花は陽の感情をお互いに向けてる。

ここも対照的だ。

 

この世界の創造主とも言える彼女も実際にはヒロインという役割含めて、ほとんど何もうまくいってない。 そんな憂のある姿にも思わず心惹かれる。

 

 

こんな負の感情、鬱屈した気持ちを抱えた彼女にも気持ちの変化が現れる。

グリッドマンの登場だ。

彼が登場して以後、最初は難色を示していたものの次第に夢中になり、4話の最後ではどう倒すのか考えるのが楽しいと言い始め、5話に至っては早く登場しないかと待ちわびるまでになった。

ここでOPのワンフレーズが頭を過ぎる。

 

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 「君を退屈から 救いにきたんだ」

 

そう、この最後のフレーズでこの物語はグリッドマンがアレクシスという侵略者から街を守る話なのではなく

新条アカネがグリッドマンに救済される物語 だというのが明らかになるのだ。

 

映像のインパクト、物語と歌詞との一致によるカタルシスによって何事にも代えがたいエモーションに昇華される。

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これを理解した時、このワンシーンに鳥肌が立たない者はきっといないはずだ。

 

彼女の行なっている行為は残虐非道、外道の極みの犬畜生以下なので到底許されることではないのだが、罰を受けて退場、というのは決してして欲しくない。

どう物語の中で"救済"されるのか、それが今後の見所だと思うし、僕はそれが楽しみで仕方がない。

 

さらに言うとその期待をなんで持ってるかというと、この作品を製作したのがウルトラマンジードにて悪の限りを尽くしたウルトラマンベリアルに救済という形で終止符を打ったあの円谷プロだからだ。

 

 

 

SSSS.GRIDMAN 新条アカネ ver. パーカー

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